黄金町の横浜パラダイス会館での岡村淳監督作品の上映会、昨夜は2本で、1985年の『ナメクジの空中サーカス』と『インド・ネパール・日本の奇祭』
ナメクジは、映像記録の社長牛山純一の命令によって急遽岡村監督にナメクジで1本作れとの厳命が下り、シンガポールでナメクジを撮影したもの。
最も感動的なのは、ナメクジが自分の粘液を出して、その張力で下に降りるアクションで、音楽がぴったりで、選曲だったそうだが、まるで作曲したみたいだった。
さらに、乾季になり、乾燥を嫌うナメクジに蟻の群れがたかってくる。蟻は、乾燥に弱いナメクジ攻撃に土を持ってきてナメクジに付けて粘液を奪い、ナメクジを動かなくしてしまい、蟻が勝利する。
まるで戦闘のような劇的なドラマだった。
昔、今村昌平が日活で『盗まれた欲情』や『果てしなき欲望』を監督した時、大船の先輩の野田高梧は、「なぜウジムシを描くのだ」と言ったが、逆に今村は、今後ウジムシのような人間を描こうと思ったそうだ。
岡村監督も、この処女作に現在に至る作品の根源があるように思えた。