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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『インペリアル・戦争の作り方』

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2年前の『黒澤明の十字架』のとき、佐藤忠男さんとのトークイベントの司会をやってくれた若い映像作家金子遊君が、新作を作り、その上映会があったので、雨の中渋谷のアップリンクに行く。

                                          

2045年の日本と言う設定で、2015年に憲法を改正し、国防軍を作った日本は、米中の戦争が開始された時、主戦場になり、核爆発で人間が死滅している。

その中で生き残った女性ラサの目で、戦後から2045年が回想される。

要はSFだが、すぐに思いだしたのは、1970年代、黒テントの全盛期に佐藤信が作・演出した『阿部定の犬』だった。

これは、昭和11年の2・26事件が成功し、昭和天皇は満州国に亡命して、という話だった。最後は、昭和天皇が亡くなり、「ああ昭和も終わったか・・・」というエンドだった。

金子遊作品では、音楽が琵琶のような音だったが、これは小林正樹監督『怪談』での武満徹の音楽のことではないかと思った。

つまり、金子君が目指しているのは、平成の『平家物語』を語ろうとしているのではないかと思ったのであるが、どうでしょうか。

逆「平家物語」と言うべきではないか、回想ではなく、未来を語るものとしての「平家物語」を。

時代や社会への意識が薄いと言われる現在、彼の存在は重要だと思う。

まだ、一般の公開時期は決まっていないようだが。

 


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