石坂洋次郎の『陽の当たる坂道』は、日活で2回映画化されているが、1965年夏のTBS版も非常に良かった。
脚本は、山田正弘、演出は村木良彦だった。主演は、芦川いずみで、彼女が教える少女は小川知子で、非常に可愛かった。その家の長男は、横内正、二男で芦川の相手になるのは、新克利だった。
1965年夏は、日本と韓国の国交正常化が最大の政治的課題で、高校生だった私は、日韓条約阻止高校生会議の一員として活動していた。といっても、当時のことなので、勉強会、街頭デモへの参加程度で、後の過激派の暴力とはまったく別だった。
このテレビの『陽の当たる坂道』では、芦川が通う大学の先生は、福田善之で、皆がデモに参加して機動隊に殴られると言ったシーンもあった。
今、考えると当時のTBSテレビは、本当にすごかったと思う。
村木らは、後にテレビマンユニオンを作るが、そうした土壌は、完全にあったのだろうと思う。
今や、テレビのドラマは本当に無意味化したと私は思う。
現在のテレビで見るべきは、ニュースとスポーツ中継、そして映画の放映だけだと思うのだ。