大河ドラマの『光る君へ』では、まひろの式部が、散楽に興味を持ち、普通の人々の中に入ってく様が描かれている。
普段の自分の公家の生活の他に、人々の生活にも通暁していたとは初めて知った。
さて、紫式部とならび、近代の最高の女流作家と言えば、言うまでもなく樋口一葉だと思う。
彼女も、若い時は中島歌子の歌塾に通い、公家らの生活にも通じていた。
だが、自分で家を持つようになると、生活のために吉原に近い浅草の店で、下層の人々に接したのだ。
これが、彼女の作品で、当時の日本のすべてを網羅した素晴らしい作品を生み出した理由だったと私は思う。
やはり、社会のすべてを見ることが、作品の価値になるのだと思うのだ。