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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『パトリシア・ハイスミスに恋して』

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パトリシア・ハイスミスと言えば、映画『太陽がいっぱい』の原作者だが、それ以前に「交換殺人」の『見知らぬ乗客』のアイディアだけでもすごい。

彼女が、実はレスビアンであり、米国を離れて欧州に住んでいることは、昔小林信彦の本で知っていた。

たしかに、映画『太陽がいっぱい』のアラン・ドロンのモーリス・ロネへの嫉妬と羨望には、ホモセクシュアル的な匂いがしたものだ。

これを見たのは、高校3年生のとき、渋谷の東京名画座で、私は、サラリーマン風の男に尻を触られたので、よりそう思ったのかもしれないが。

                

彼女は、1921年に彼女はテキサスのフォートワースの裕福な牧畜業の家に生まれたが、両親が離婚したので、6歳のときに再婚した母のいるニューヨークに移住する。

彼女は、母親を愛してたそうだが、母からは性的異常を言われていて、そこにまず自己への違和感と同性への愛に進んでいったようだ。

若いころの彼女はかなりの美人だが、大学時代から小説を書き、1952年には、別名義だが、レスビアン小説の『キャロル』を書き、さまざまな女性に魅入られていって、ついにはニューヨークのアンダーグラウンドの「レスビアン」社会で、女王になっていく。

『キャロル』は、最初のハッピーエンドのレスビアン小説だったそうで、さすがの彼女も本名では出せなかったようだ。

いずれにしても、映画『見知らぬ乗客』の原作者としての名声にもかかわらず、彼女はアメリカでは生きられず、パリに移る。

そこでも多くの恋人と生活し、幸福なときを過ごす。

イギリスやドイツの恋人もできるが、税務署からの調査もあり、ついにはスイスに引っ越す。

酒にもおぼれたようで、最後は白血病で1995年に亡くなる。

黄金町シネマベティ

 

 


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