先日、『たからぶね』を国立映画アーカイブに見に行くと、受付で、フィルムの切れ端をくれる。
国から物をもらうなど、ないことなのでもらう。
見ると、4コマで、男同志で接吻しているが、中身はよく見えない。
昔、新東宝で『明治天皇と日露大戦争』を撮った人に、渡辺邦男がいた。
助監督だった石井輝男によれば、先生は編集の名人で、しかも編集機など使わずに裸眼で、フィルムを見て、手でフィルムを切っては、つなげたとのこと。
先生が、見たのは、ネガのはずで、ポジフィルムよりももっと見にくいので、先生は、本当にすごい眼力だと思った。
先生は、右翼のように思われているが、早稲田大学時代は、左翼の建設者同盟だったそうで、なかなか面白い人だったようだ。