1960年代以後の日本映画界で、最大の事件は、ピンク映画から日活ロマンポルノの興隆だった。
このピンク映画は、普通、1962年の新東宝の倒産からと言われている。だが、それは、半分で、後はニュース映画、文化映画等の、テレビの普及による消滅も大きな原因の一つで、監督の山本晋也も岩波映画からの転職だった。若松孝二は、テレビ映画からの転身だったのだが。また、この時期、弱小の新劇団がテレビの普及によって整理され、多くの俳優がピンクの役者となったのであり、野上正義は、その典型である。
この映画の元の監督の渡辺護も新劇の世界にいたが、ピンクの監督となった一人で、この映画はピンク映画50年記念として製作が開始されたが、渡辺がガンになったので、井川耕一郎が、脚本・監督を務めることになった。
話は、新婚夫婦と彼の叔父夫婦との間で起こる「スワッピング的」な艶笑譚である。
必ずしも面白いとは言えないが、四十八手のあれこれは、なかなか面白い。
「バカ夫婦、48手で足をつり」の川柳は笑える。
最後は、渡辺を追悼してか、「尺八弁天」が流される。
国立映画アーカイブ