1941年の映画で『88年目の太陽』と言うのがあった。
これは、今も田浦にある浦賀ドックの話で、戦争で軍艦も商船も仕事で大忙し。
これがなぜ88年目の太陽かというのと、ペリーが来航してむりやり開国させられて88年目だというのだ。
つまり、88年間の恨みを晴らすのだという、反米映画だった。
こういう恨みを晴らす、弔い合戦と言うのは、仇討ちの思想である。
だが、ご存じのとおり、戦国時代の仇討ちは、徳川幕府は禁止した。
なぜなら、仇討ちを許すと、無限の連鎖になってしまうからで、平和の時代に相応しくないからだ。
だが、日本人はつい最近まで、仇討ちが好きだったようで、それは『忠臣蔵』の人気になっているし、ヤクザ映画はほとんど、この仇討ち思想である。
この仇討ちと戦争を一緒にしてしまうのは非常に困ったもので、戦争は本質的に「買ったり、負けたり」で、ある意味で、ゲームのようなものである。
ドイツとフランスなどは、近代になっても何度も戦争をしてきたが、結局両国とも亡国にはならず、現在も共存していて、それがEUになっている。