先日は、日本史の荒久保先生について書いたが、もう一人好きだったのが、物理の永見先生だった。
この方は、元は戦闘機に乗っていたという人で、片肺がなくて、いつも咳き込んでいたが、話は非常に面白かった。
得意の分野は、戦争の戦法で、アレキサンダー大王から、ナポレオン、さらにノモンハン戦と古代から近代に至る戦争のやり方の説明と批評なのだ。
一番は、日本軍とソ連軍のノモンハンでの空中戦のことで、戦闘機は回転半径小ささと速度で決まるのだそうで、上空でぐるぐると旋回していたら、半径が小さくて速度が速い方が、いつか必ず相手の後ろに入ってしまうもので、ソ連木は、日本軍の97式戦闘機の敵ではなかった。
そこで、ソ連は戦法を変え、97式とはあまり戦わず、なるべき上空で待機して、来たら戦うが、すぐに逃げるという「一撃離脱法」を編み出して、消耗を防いだとのことだ。
そして、日本の戦国時代等の戦争の無意味さを指摘しておられたのだ。
日本の戦国時代、関ヶ原の戦いも、戦争の始まる前の「外交交渉」で、戦力図が決まっていて、ほとんどまともな戦いになっていないのだと指摘されていた。
私が、戦争や右翼的思想に疑問を持つ切っ掛けを与えてくれた先生の一人である。