日曜日の選挙の開票は、なんともつまらない結果だった。
それも、自民も民主も、力を出し惜しみした結果なのだから非常につまらなかったのである。
自民は、「96条改憲」が方々で問題にされるとすぐに争点から外して論争化しないようにした。
民主は、衆議院戦の敗北から全く回復せず、自民への問題提起が一切できなかったが、これはまだ「与党ボケ」が続いていたのだろう。
すでに野党なのだから、与党を攻めなくてはならないのに、自分たちの失敗や党内不一致を隠すのが精一杯で、攻撃する点を見つけられなかった。
今回、もし民主を初め野党が攻めるとすれば、原発ゼロしかなかっただろうと思う。
広範な国民に不安のある中での安倍内閣の原発再稼働の方針をこそ攻めて、むしろあえて国民の不安心を煽るべきだった。
原発反対のみの山本太郎が東京選挙区で3位当選したのは、その証拠である。
民主党は、公示直前になって、原発反対の大河原雅子の公認を取り消し、鈴木寛のみを公認候補としたが、結果論だがこれは逆だったと思う。
大河原を東京選挙区に残し、鈴木を比例区に回せば、女性候補の丸川珠代、吉良佳子とも女性票を取合えたはずだ。
結果的は、民主党の鈴木は、自民党の武見に負けたが、内容は反原発票を山本太郎と共産党の吉良に取られた故の敗北である。
比例区の上位に関西電力出身の候補がいて、当選しているので、原発ゼロは公言できないのだろうが、選挙戦術と政策は別である。
自民党比例区当選者が、郵政、農協、医師会など、安倍内閣の「規制緩和」「新自由主義経済」とは正反対の既得権益団体であるのと対照的である。
選挙に受かれば、後は政策の実施段階でいくらでも妥協し、調整することで、これらの既得権益者とうまくやるのだろうが、安倍政権も前途多難である。
そうした大人のやり方ができないところに民主党の未熟さがあるのだが。
それを克服して何とか回復して欲しいものだが、10年間はかかるだろう。
もっとも、よほどのことがない限り3年間は、国政選挙はないのだが。