映画『セヴェン・イヤーズ・イン・チベット』でも出てきたチベットの宗教音楽は、昔から注目されていたもので、ノンサッチでも何枚か出ていて、私もよく聞いたものだ。
これが、実際に行なわれたのは、1990年3月のみなとみらいのグランモール公園のイベントだった。
グランモール公園というのは、横浜美術館の前のエリアで、シンポジュウムもあり、そこには後に死んでしまう如月小春も出で、つまらないことを言っていた。
そして、この関連イベントとして、横浜美術館の大きなアトリウムで、その公演が行なわれた。
チベットの他、韓国の正農楽も行なわれたが、意外に横浜市の役人にも好評だった。
クラシックとカラオケしか音楽じゃないと思っている連中にも、民族音楽は理解できたのだ。
これは、現代音楽祭の付帯イベントとして、仙台で行なわれたものを田村光男の力で、横浜にも持って来たものなのだ。
だが、翌年ウォーマッド横浜で、都はるみを出すことになったとき、都市計画局の課長からは、
「演歌が出るようなイベントに助成金は出せない」と言われたのだ。
横浜市の役人の文化的レベルは、その程度だったのだ。