ジョンソン大統領は、言うまでもなくケネディが暗殺されて副大統領から大統領になった一人である。
冒頭、1960年の民主党の予備選の模様が出てきて、ベットでジョンソンが奥さんとテレビでケネディを見ていて、「いい男だ」と言うシーンがある。
逆に言えば、ケネディなんか、ルックスだけだとジョンソンは思っていたのだろう。
事実、ケネディは、ここでもあまり意思のない男で、ジョンソンと対決するのは、弟のロバート・ケネディであり、彼は本当の理想主義者として出てくる。
映画として見れば、ソックリ・ショーだが、このロバート・ケネディが一番よく似ていて、芝居も上手いと思う。
党大会で、ケネディは指名に勝ち、そして南部保守派の票を取るために副大統領になる。
彼の周囲は、南部保守派で、公民権法案に強く反対している連中である。
そして、問題のダラスに来て、ケネディは暗殺されてしまう。
憲法の規定によってジョンソンは、大統領になる。
この時の、南部の連中の反応が傑作で、「最初の南部出身の大統領だ!」と大喜びする。
「へえ、そうだったのか」と思うが、アメリカって北部の人間のものだったのかとあらためて知る。
就任演説で、ジョンソンは言う、「ケネディの意思を繋ぎ公民権法案を通す」と言う。
さらに、南部の連中の前でも広言するが、その台詞がすごい。
「南部の男の金玉の大きさを見せてやる!」
意外にも面白かった映画だった。