私も見ていない小林正樹の映画は、『食卓のない家』である。
これは、小林監督の遺作で、円地文子の原作、連合赤軍事件で被告となった息子と家族の話だそうだ。
このモデルは、吉野雅邦で、都立日比谷高校では音楽部で、私と共にやった「ウォーマッド横浜」の制作・演出の田村光男も、音楽部で一緒だったのだそうだ。
吉野は、一橋大を受けたが落ちて、横浜国立大学に入り、そこで学生運動に行く。
その団体は、社会主義学生同盟マルクス・レーニン派という団体で、われわれは「毛沢東・レーニン派だろう」とバカにしていた。。
まさに彼らは中国派で、「銃から権力が生まれる、都市ではなく農村から革命を起こす」と信じている連中だった。
およそ信じがたい連中だったが、よく考えると、インテリで裕福な家庭に育ったお坊ちゃん・お嬢ちゃんのコンプレックスだったのかもしれない。
この吉野の父親は、某大手商社のエリートだったそうで、その家族の苦節は相当なものだったようだ。
もっとも、彼らの指導者の永田洋子の家は、裕福ではなかったようだが。
その辺をどのように描いているのか、非常に興味あるのだが。
現在では、フィルム原盤も不明で、権利も不明確だとのことだ。
たぶん、川本ビルなのだろうが。