12月は、『忠臣蔵』の季節で、それに因んで桜木町の横浜にぎわい座で、『ポカスカ忠臣蔵』が行なわれた。
感想は、ポカスカジャンって、こんなに面白い連中だったのか、である。
と言っても、前は3人だったのが、一人抜けて2人になっていた。
いろいろな演目があったが、この夜のメインは、『洋楽忠臣蔵』で、忠臣蔵を洋楽のアーチストに当て嵌めて語り、歌うという趣向。
吉良は、ミック・ジャガーで、浅野はボブ・ディラン、大石はエルビス・プレスリーという配役。
松の廊下での顛末を、浅野ボブ・ディランが、『風に吹かれて』や『ライク・ア・ローリングストーン』で語り、歌うという抱腹絶倒の仕儀。
大石のプレスリーというのは、役が違うのではないかと思ったが、赤穂城での評議に入るところでチョンなので、これはOKだった。
彼らの芸は、今や絶滅危惧種と言われる「ボーイズ芸」で、現在ではもう誰もしなくなっているものだけに、非常に貴重である。
ボーイズ芸は、私は、あきれたボーイズに始まる、戦前、戦中の時期が最高で、戦後は衰退したと思ってきた。
戦後は、むしろハナ肇とクレイジー・キャッツやザ・ドリフターズのような本格的な音楽グループに移行したと考えてきた。
だが、この二人の音楽的素養も相当なもので、まだまだ可能性があるのだな、と思わせてくれた一夜だった。
ゲストは、春風亭昇太