今回の衆議院選挙で、興味深かったことは、新聞の事前予測で、朝日新聞が、自民過半数越を出し、読売が、自民過半数割れを予測したことだ。
結果は、朝日新聞の予測の通りで、その原因は、朝日は従来の電話聞き取りの外に、ネットでの調査を行ない、それの比重を強めたからだそうだ。
さらに、もう一つ、重要なことがあったと思う。
私は、何度か書いたが、昔の市会議員などは、「○○候補優勢などと書かれるのを非常に嫌がり、別の候補に判官贔屓で票が流れる」と言ったことだ。
菅前総理に、横浜市西区の市会議員を引きずりおろされた鈴木喜一先生は、よく言っておられたものだ。
だが、近年、それは変わり、特に小選挙区制になって、自分の票が死票になるのを嫌がり、勝ち馬に乗るという傾向が強くなったと言われてきた。
だが、今回の読売の予測が外れたのは、読売の読者にまだ判官びいき、さらに直前の静岡での参議院選挙の補選で自民党が敗れたので、危機感が強くなって自公に入れたのだと思える。
対して、朝日新聞の読者は、意外にも勝ち馬に乗る、傾向があったので、自民過半数との予想で、嫌になって棄権したからだろうと私は思う。
意外にも、今回の選挙では、予想のアナウスメント効果があったことになるのだろうか。
さて、前に書いた「小選挙区・比例制」は、ドイツの選挙制度とよく似ていることが分かった。
ドイツは、小選挙区と比例区があり、二票制だが、議席は、小選挙区での獲得比率で、厳密に確定させている。要は、小選挙区比例併用制で、日本のは比例並立制とは異なるもので、死票は極めて少ない。
近年の投票率の低さは、死票にあるとも思われ、投票率の向上の点からも、制度は見直されるべきだと私は思う。
さすが、厳格なドイツ人である。いい加減な日本人とは大いに違う。