昨日は、「日中戦争と昭和天皇 『昭和天皇実録』に記録された天皇の苦悩」で、主に御前会議についてで、非常に興味深い話があった。
その中で、1938年1月に昭和天皇が、夕食後に映画『上海』を見たとあった。
これは、一般には同年3月に公開されているので、事前に上映したことになる。
東宝文化部の製作で、監督は亀井文夫であるが、彼は実際に撮影には行っておらず、カメラマン三木茂が撮ってきたフィルムを編集して作品としたものだ。
これは、実は大ヒットし、この頃から日本の大都市に、ニュース映画や記録映画、漫画等を上映する「ニュース映画館」ができるようになる。
新橋に会った新橋ニュースが、たぶん最後まで残ったニュース映画館だと思う。
テレビも、ネットもない時代、国民の最大の関心事だった戦場の映像が見られるのは大変なことだったと思う。
ただ、この映画は、よく見ると非常に深いメッセージが込められているのだが、果たして昭和天皇はどのように感じられたのだろうか。