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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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「ラ・ベビー・シッター」という映画

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ベビー・シッターに子供を預けたところ、死んでしまった事件が問題になっているが、原題が「ラ・ベビー・シッター」という映画があった。

邦題は『危険なめぐり逢い』と言うルネ・クレマン監督のサスペンスの傑作である。

美術学生で、彫刻をローマで学んでいる貧乏学生のマリア・シュナイダーは、ある日「子供を見てくれ」との依頼の電話が入り、大きな邸宅に行くと男の子が一人でいる。

そこから彼女は、児童誘拐事件に巻き込まれる。

       

それは、彼女のルームメイトのシドニー・ロームと彼女の仲間ロバート・ヴォーンらが仕組んだ事件だった。

彼らは、もともとはアメリカの映画俳優だったが、失業してイタリアに来ていた。

ポルノ映画の撮影の時、シドニー・ロームは、ヌードを要求されるができない。

彼女のお腹には大きな傷跡があったからだ。

その傷は、大会社の社長の秘書の男が自動車事故で付けてしまったもので、彼はシドニー・ロームへの同情から愛し合うようになっていた。

最後は、意外な結末になり、誘拐事件は解決し、一時は誘拐犯と思われたマリア・シュナイダーのことを、男の子が警察に聞かれると、彼は、

「あの人は素晴らしい人だった」と答える。

ボーイッシュで寡黙な演技のマリア・シュナイダーが素晴らしい作品だった。

確か彼女も数年前に死んだはずだ。

また、フランシス・レイの甘美な音楽も非常に良かった。

 


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