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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『ウィット』

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大学で、イギリスの17世紀、シェークスピアとほぼ同時代に生きた詩人、ジョン・ダンを教えている教師のベアリング・ビビアン(栗田桃子)が、ガンを宣告される。
               卵巣ガンで、ステージ4。彼女は、大学生時代のことや、教員となって生徒に教えたことなどを思い出し、最後は延命治療を拒否して死んでゆく。今や、多くの人が掛かる病気になったガン。その宣告や延命治療など、30年前に書かれ、日本でも草笛光子の主演で上映された上演された劇で、非常に良く書かれている。だが、私は、ほとんど最初から、この劇に入ることができなかった。栗田とガン治療の医師斉藤志郎との対話に、別の声が聞こえるのだ。言うまでもなくプロンプターであり、台詞が入っていないのだ。井上ひさしや古くは菊田一夫の芝居では、ぎりぎりに脚本ができて大変だったという話しはある。だが、これは新作ではなく、20年前に翻訳上演されている。ただ、翻訳者が時代の変化に対応した改訂をしたとのことなので、それで役者に台本が届かなかったのだろうか。それにしてもひどいできだった。演出の西川信弘は、文学座でも一番信頼できる人だと思っていたが。要は、稽古不足なのだろう。公演二日目だったので、仕方ないのだろうか。不良品なら、その分値引きすべきだと思った次第。阪神は、ソフトバンクに連戦のボロ負けの最悪の日だった。紀伊国屋サザンシアター

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