『ミッドウェー』の前に、『マイルスデイビス・クールの誕生』をやっていたので、見る。1926年の誕生から1991年の死までを追ったドキュメンタリーで、丹念に取材している。マイルスは、イリノイ州で裕福な歯医者の家に生まれ、若くしてプロになり、ニューヨークに出て、チャーリー・パーカーやデジイ・カレスピーらと交遊を結ぶ。ジュリアード音楽院にも行き、ジャズプレイヤーとしても活躍する。マイルスの音楽の特徴は、やはり音色が繊細なことで、編曲のギル・エバンスと知り合い、さらに上を行くようになる。1960年代に自分のバンドを持つが、ジョン・コルトレーンのサックスの時が一番だった言うのは意外だった。当時、コルトレーンは、日本では評価がひくく、鈍順さがソニー・ロリンズに比べて極めて低評価だった。マイルスが、最初に日本に来たのは、1996年7月で、この頃は、ドイツ、日本等でサックスが変わっている。非常に混迷した状況だったわけだが、われわれには分からなかった。その後、1970年代以降は、エレクトリック化し、時代に乗るヒットを打ち出す。『ビッセス・ブルー』で、当時の大規模ロックコンサートで演奏されたようだ。しかし、音楽的には低迷だったようで、腰痛から来る薬が手放せなくなる最後は、1990年に新宿西口でライブをやったようだが、非常に評価は低かったようだ。どんな天才でも、いつまでも優れた表現ができると言うものではないのだろう。厚木映画館KIKI
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