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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『バリー・シール アメリカをはめた男』

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TWA航空の優秀な若手パイロットだったバリー(トム・クルーズ)は、ある日シーファーという男から中米への飛行と撮影を依頼される。これは、CIAのエージェントだったのだ。
そこは、中米のニカラガで、左翼の武装組織サンディニスタの基地を撮影することで、秘密の飛行だったが、報酬として莫大な金を貰う。

そこから、中南米に高速ジェット機で往復することになり、それまで住んでいたニューオリンズのバント・ルージュから、アーカンソー州の田舎町に移住させられる。
飛行は拡大し、パナマのノリエガ将軍とのコカインの取引にかかわることになる。
さらに複数の高速機を所有し、従業員も多数雇用し、町はにぎわい、銀行までができる。



これは、1980年代のレーガン時代に起きた、イラン・コントラ事件の一部であり、コカイン、銃、金を三角取引し、中南米の反米勢力を撲滅するためだった。
イラクに対抗させるために、イランにアメリカが武器を売っていたという信じがたい事件だったが、そこにはイスラエルも介在していたというのだから、摩訶不思議な事件だった。その金をニカラグアの反左翼武装勢力のコントラへ援助していたのだ。
レーガンは、彼らを「自由の戦士」と称揚していた。
面白いのは、トムのおかげで大金持ちになった妻のところに、バカな弟が来てバカな事件を起こすが、トムがシーファーに頼んで無罪放免にしてもらうのや、莫大な金の使い方で、まさに大笑いだった。
最後、FBI他、麻薬取締局、税関等に検挙されるが、裁判では微罪になり、保釈される。
だが、彼は毎日車とホテルを変えて用心していたが、ある夜に銃殺されてしまう。
これは、彼が用心のために自分で撮っていたビデオによる説明ですべてが展開されてゆく。
誠にアメリカの裏というか、恥部を描いた作品で、アメリカをはめた男ではなく、アメリカにはめられた男である。
ザ・シネマ


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