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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『夜を探せ』

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1959年の東宝映画、監督は松林宗恵、主演は鶴田浩二。
船員の鶴田が、波止場で闇取引をすると、銃声が聞こえ、そこに走ると男が銃殺されている。
男は、鶴田に銃弾を渡す。実はそれがこの映画の筋であることは次第に分かってくる。
それは、戦前に満州での探検隊のことで、その一人の千田是也は、大企業の社長になっている。
鶴田は、彼らの秘密を探るため、千田の一人娘白川由美に近づき、次第に二人は恋仲になる。
脚本が池田一朗なので、日活的な感じがあるが、裕次郎、旭とは、鶴田は違うところもある。
それは、やはり年齢の差で、鶴田はやや古い感じがする。
ただ、晩年のヤクザと特攻隊の東映とは違い、一応西欧的なアクションをしている。
鶴田は、もともとは高田浩吉劇団なので、演技は型なのである。

千田是也等の探検団は、実は満州奥地で金を採掘していて、それを基に事業を起こしたわけだ。
どこか、児玉誉士夫らを想起させる。
最後、鶴田は千田の豪邸に行き対決すると、千田は自殺し、白川由美は、鶴田と結ばれる。

これと原作がどのように違うか不明だが、石原慎太郎も、この時期までは、戦前派に不信感を持っていたことが分かる。
「ドント・ビリーブ・オーバー・サアティ」である。

日本映画専門チャンネル

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