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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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「恵方」の方が、初詣よりも先

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この時期になるといつも話題になるのが、恵方巻きで、「こんなものはコンビニの販売戦略で、元はなかった」という意見がみられる。

確かに、「恵方巻きをその年の恵方に向かってほうばれば幸福になる」というのはコンビニ等が作り出したことに違いない。

だが、恵方参りは、実は初詣などよりも、はるかに昔からあった年中行事なのだ。

嘘だと思うなら、永井荷風の小説『踊子』を読んでみると良い。

そこには主人公の芸人夫婦が浅草で大晦日に恵方参りをした、との記述がある。

意外なことに初詣は、関西では近鉄、関東では京浜急行や京成電車などの私鉄が売上向上のため明治時代に始めた極めて新しいイベントなのである。

日本の私鉄は、近鉄の伊勢神宮、京成の成田山新勝寺、京急の川崎大師や穴守稲荷、東京メトロの浅草など、神社仏閣との関係が非常に深い。

南武線や横浜線も私鉄で、そうした有力な神社仏閣がなかった性か、慢性的に赤字体質で、最後は戦前の国家総動員体制のなかで国鉄に合併されてゆく。

私は、もちろん海鮮恵方巻きをコンビニで買って食べたが、結構美味しいいものだったのには感心した。

 


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