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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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自分たちで観客を減らす試み

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先日、映画『舟を編む』を見て、最後のキャストのタイトルのところで、外波山文明さんの名が出てきた。

外波山さんとは、30年以上も前、友人との劇団で私が芝居をやっていた時、ある劇で客演していただいたことがあり、最近ではフェイスブックでの知合いでもある。

そこで、「一体どこに出ておられていたのか」お聞きすると、主演の宮崎あおいが働く料理屋の主人・板前として、台詞なしの出演だったとのこと。

               

最近、出演者のタイトルが一番最後なので、こうしたことがよくある。

理由は、近年の映画は、製作員会方式なので、関係する人間が非常に多く、「面倒だから最後に全部流してしまえ」ということなのだろうと思う。

だが、これでは観客が、出演者の名を少しも憶えなくなる。

昔は、映画会社各社が、売り出したい新人等をタイトルにきちんと載せて印象附ける工夫をしていた。

たとえ脇役でも、最初に出ていれば、「この人はどこに出るのか」と探すものである。

だが、最後の全部同じに流す方式では、こうしたことが一切なく、これも日本映画から観客を減らしている理由の一つであると思う。

では、どうしたら良いか。

アメリカ映画のように、最初にメインのスタッフ、キャストを出し、ドラマに入り、最後に全部の名を流せば良いだろう。

なんとか再考いただきたいものだと思う。


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