各種の選挙の世論調査で、自公が有利との報道が出ている。
かつては、「アナウンスメント効果」と言って、有利だと予想された側から、不利とされた方に票が流れるとされた。
これが日本人特有の判官びいきであり、アナウンスメント効果だとされてきた。
だが、現在では逆だと私は思う。
今は、有利だと言われた方に投票することが多いと思う。
それは、かつては衆議院は中選挙区制で、自民党では複数の候補が出ていたので、別の候補に入れる投票行動があった。
あるいは、自民は勝つから社会党に入れようというような余裕があった。
だが、今は小選挙区制で、1位以外の票は無意味となってしまう。
そこで自分の票を無効にしないため、有利な方に入れてしまうのである。
それに小泉純一郎・竹中平蔵の新自由主義経済路線以降、勝組・負組という嫌な区別もできた。
そこでは、自分は負組に組みしたくないという意識も強くなっている。
かつて大阪の橋下徹に入れた票の多くも、客観的に見れば、負組の連中だったと思える。
つまり、かつてナチスに投票したのが、ドイツの不況で一番苦しんだ中産階級であったことと同じである。
自分たちの首を締める者に投票するということは、今の日本でも起こっていることだと私は思う。
自公政権の勝利によって首を絞められるのは、最終的には若者たちのはずなのに、彼らが自公に投票するというのは、まことに政治の逆説である。