冒頭でコインロッカーからカバンを出した女性が、車に戻ると後ろの席にいた男に首を絞められ、指を切られる。
そこから全く関係なく、ニューヨークの売れない女優のメアリー・ステインバージェンが女優のオーディションに出かけることの話に飛ぶ。夫は賛成しないが、メアリーは喜んで出ていき、なんと受かってしまう。その相手の男は、『時計仕掛けのオレンジ』等でいつも不気味な役の多いロディ・マクドーウエルであり、この男の細かい演技は凄い。
カナダ近くの非常に寒いエリアで大雪が吹いている中、大きな屋敷に連れて行かれる。
そこには、DR・ルイスという車椅子の精神病理学者がいて、彼のカメラで、演技が撮影される。屋敷は、博士と執事のロディのみで、電話も吹雪で通ぜず、この舞台は、ゴシック・ロマン、ミステリィーの通常の例の閉ざされた部屋での芝居になる。
監督は、アーサー・ペンで、彼は舞台の演出もしているので、3人の芝居は非常に良くできている。
一度、メアリーは恐怖から部屋から逃げ出すが、すぐに捕まり連れ戻されてしまい、そこで二人は真相を話す。
精神病理医だったルイスは、大金持ちの姉妹の妹の相談を受け、遺産を独り占めしようとした姉を脅迫して金を取ったが、殺し屋に殺されてしまった。殺し屋は、本当に殺した証拠に指を切ったというのだ。
そして、ある朝起きると、メアリーの左薬指も落とされている。何とかニューヨークに電話して夫に知らせ、警察も来るが、屋根裏部屋に妹の死体があるとメアリーは警官に言うが、行くとない。
すべてロディーがやっているのだ。夫と弟が車で探すが、証言が少なく、屋根のある橋、金魚をおまけに暮れるガソリンスタンドなどで、なかなか屋敷に来られない。
この辺は、マキノ正博のいう「ダレ場」であり、最後のクライマックスを盛り上げるための作為である。
最後については書かないが、アメリカ映画では主人公は死なないので、その通りになる。
いろいろと驚かせる仕掛けがあり、二度目だがやはりびっくりする。その意味では、ネタばれしても、面白い映画は面白いという証拠である。
イマジカBS