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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『トランボ』

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トランボとは、ダルトン・トランボのことで、ハリウッドの売れっ子の脚本家だった。

                  

 

だが、戦後の赤狩りの中で、「ハリウッド10」の一人として映画界を追放されるが、執拗に脚本を書き、『ローマの休日』、『黒い牡牛』などでアカデミー賞を受賞し、1971年には自作脚本の『ジョニーは戦場に行った』を監督する。

このときは、かなり映画雑誌等で多く取り上げられたので、かなり話題となったが、それももう40年以上前なので、初めて知った方も大いにちがいない。

彼は、上院の非米活動委員会で「共産党員なのか」尋問されるが、答えず議会侮辱罪で入獄する。

ここでは出てこないが、このときに、議会で証言をして「仲間を裏切った」のは、エリア・カザン、エドワード・ドミトリクらで、このことは彼らの後の映画に大きく影響する。

トランボは、共産党員と言っても、脚本家、監督らの知的人間と同様に、美術、大道具、照明らの肉体労働のスタッフも同じ仲間だという思想だったようだ。それを特に取り上げられて、「共産党員だ」というのだから、当時のアメリカの反共主義は滅茶苦茶である。

彼は、言ってみれば職人的な脚本家であり、日本で言えば新藤兼人のような人だと私は思う。

役者も非常にレベルが高く、彼の妻は、懐かしやダイアン・レイン、映画界のゴョシツプ記事の女王がヘレン・ミレンとはさすがである。

悪役が良くないと正義も、上手く浮かび上がって見えないからだ。

脇役では、彼に『栄光への脱出』の脚本を依頼する監督のオットー・プレミンジャーが面白い。

彼はドイツ出身で、英語は下手だが、大変な反骨の精神の持ち主だった。

『ポギーとベス』で、主役に黒人女優のドロシー・ダンドリッジを起用し、ハリウッドを驚かせ、後に二人は同棲するまでになる。

中学の時、なぜか『黒い牡牛』を蒲田国際劇場で見た。

たぶん、学校から推薦されて行ったと思うが、あまり面白くなかったのだが、もう一度見てみたいものだと思っている。

シネマジャック


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