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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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「横浜市民、全員に謝れ!」

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区役所など現場にもいたので、区民からクレームを受けたことはいろいろある。

ある朝、庶務係長から電話があり、「数日間毎日クレームを言ってきた区民が、今日もまた電話をかけてきて文句を言っているので、家に行って対応してほしい」と。

課長と行くと、結構立派な家の前で、真っ赤な車を洗っている男がいて、課長が話しかけると、ご本人だった。

驚いたのは、目の周りに一切の窪みがないことで、異常な興奮状態に見えた。

そして、彼が言うには、「俺は区役所の若造にバカにされたのが非常に不愉快である」 だから、

「横浜市民、全員に謝れ!」という。

市民全員ということは、横浜スタジアムに何万にかを集めてやるのか・・・その借り上げ費用を区役所は出してくれるのかな・・・

と考えていると、

「区役所に行こう!」と言い、小型車だが高そうな外車のスポーツカーで課長と共に、区役所に向かう。

かなり乱暴な運転で、すぐに区役所に付き、「ここで市民に謝れ!」という。

そこは、2階がロビーになっていて、戸籍などを取に来る多くの区民が屯するようになっていたが、そこで市民に謝れというのだった。

そこで、彼は大声でわれわれを罵倒しはじめる。

                                              

 

問題は、今はもうないが、市民交通共済という制度があり、要は安い費用で加入でき、交通事故にあった時は、簡単な手続きで共済金が受け取れるものだった。

事故の審査がかなり軽易だったのだが、1年間に二度以上事故に会った時は、二度としませんなどの「誓約書」をもらうものになっていた。

だが、これが「まるでわざと事故を起こしたようで不愉快だ!」というのだ。

この方は、1年間で2回追突事故を起こしていたので、当然にもらうもので、何も問題はなかったのだが、担当が大卒の非常に若く見える職員だったので、不愉快だったようだ。

すると、また、庶務係長が来た。

「うるさい」と区民の方から言われているので、どこか別のところでやってほしいという。

別の会議室に移動し、午前中じゅうずっと大声の罵倒を受ける。

私は、自分で車を所有したことが2年間しかないのでよくわからないのだが、1年間に2度も追突事故を受けるなどというのは、まずないのだそうだ。

そうなると、この方は、もう一人別の人間と組んで事故を起こしていたのだろうか、わずか数万円の共済金を取るために。

世の中には、様々な方がいるものであると思った。

 


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