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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『大阪の女』

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『大阪の女』という題名の映画には、団玲子主演、須川栄三監督で、溝口健二の名作『浪華悲歌』をリメークしたのもあるが、これは大映で衣笠貞之助監督で、京マチ子主演で作られたもので、元は連続テレビドラマだったそうだ。

大阪の天王寺に、漫才、落語、浪花節、チンドン屋等の芸人が住んでいる長屋がある。

ひどい貧乏で、300円が大金の世界だが、非常に底抜けに明るく能天気に生きている。

京の父親で、女好きですぐに女性に騙される元漫才師が中村鴈次郎、長屋の親分のような差配人が山茶花汲、京と鴈次郎親子が住んでいる二階の部屋の下は、小夜福子と内職で箱を作っている芦野雁玉夫婦。平和ラッパの特徴的な顔も見える。

その他、関西の漫才や落語家など多数出ている。

そこにチンドン屋の船越英二が来て、京マチ子と意気投合し、二人は晴れて夫婦になる。

             

 

そこに昔は、鴈次郎の弟子だったが、漫才をやめて洋品屋を出そうとするのが高松英雄で、彼は京に惚れていたのだが、戻って来るのが遅かったと悔やむ。

ところが船越が自動車に弾かれて死んでしまう。

悲嘆にくれる京だが、山茶花の奔走で国から見舞金が30万円降りることになり、皆喜ぶと同時にそれぞれ自分が使えないかと考える。

そこに赤ん坊を負ぶった女・村田扶富子が現れ、「私が船越の妻であり、これが彼との間の子で、30万円は自分のものだ」と言い張る。

周りのみんなは、絶対に村田に渡すなというが、京マチ子は、子供のためにあげると30万円を村田に渡す。

最後、船越の追善芸能大会が行われ、そこには若手のかしまし娘などが出ているが、男二人の漫才は誰か分からなかった。

大阪人の人情を称揚した映画で、後に「金を儲けて何がいけないのですか」などとほざく村上世彰などとは雲泥の差である。

もちろん、金を儲けるのは結構だが、それをきちんとした目的に使ってほしいと思う。

文化芸術に使えとは言わないが、教育、医療、福祉などの本来資本主義社会では営利的に成立しない分野に投資してほしいと思う。

低級な女性タレントなどと遊んでばかりいないでである。

 


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