戦後の作品の中で、本当の小津安二郎作品とは何かを考えてみる。
1947年の『長屋紳士録』から遺作の『秋刀魚の味』まで、以下のとおりになる。
1947.05.20 長屋紳士録 松竹大船 1948.09.17 風の中の牝鶏 松竹大船 1949.09.13 晩春 松竹大船 1950.08.25 宗方姉妹 新東宝 1951.10.03 麦秋 松竹大船 1952.10.01 お茶漬の味 松竹大船 1953.11.03 東京物語 松竹大船 1956.01.29 早春 松竹大船 1957.04.30 東京暮色 松竹大船 1958.09.07 彼岸花 松竹大船 1959.05.12 お早よう 松竹大船 1959.11.17 浮草 大映東京 1960.11.13 秋日和 松竹大船 1961.10.29 小早川家の秋 宝塚映画 1962.11.18 秋刀魚の味 松竹大船
この中で、本当に小津安二郎の作品といえるのは、『風の中の牝鶏』と『東京暮色』だけではないか。
他の映画は、「野田高梧作品」ではないかと私は思うのである。