米大リーグのオールスター戦で、一番の話題は大谷翔平の大活躍だが、私はプレーボールの前に行われたハンク・アーロンの回想映像に一番感動した。
アフリカ系アメリカ人選手として、最初に様々な記録を立てたハンク・アーロンの映像が流され、家族が招待されていた。こういうのは、非常に良いと思う。
アメリカでは、このように過去の選手を表彰して回想することが良く行われる。
歴史がない国だから、過去の記録や歴史を表彰するのだという見方もあるだろうが。
振り返って日本では、こうしたことを見たことがない。
巨人でも、王、長嶋の回想映像を試合前にやったという話を聞いたことがない。
以前、大リーグ放送を見ていたら、ジャイアンツが「ムラカミ・デー」をやっていて、本人が出てきた。
村上と言っても、もうほとんど知らないだろうが、日本人で最初に大リーグ選手になった村上雅則である。
南海、阪神、日本ハムで活躍した左投手である。
法政二校時代は、目立つ選手ではなかったが、南海に入り、そしていろいろと問題があったのだが、サンフランシスコ・ジャイアンツに行き、そこで勝利を挙げたのだ。
今は、ほとんど誰も知らないだろうが、日本人最初のメジャーリーガーなのである。
日本で言うなら、オールスター戦では、ぜひ山内和弘の回想をやってほしいと思う。
山内は、長嶋、王が出てくる前は、大変に人気のあった選手で、成績もすごかったが、「オールスター男」と言われ、オールスター戦になるといつも活躍して、商品を持っていた男だった。
日本のプロ野球は、長嶋、王から始まったわけではなく、それ以前の多くの優れた選手の活躍によって大きくなってきたのだ。
そのことをどこかできちんと表現してもらいたいと私は思う。