『無頼・大幹部』もあるので、紛らわしいが、これが「無頼シリーズ」の1作目。1968年にこれが公開されているのは知っていたが、どこか殺伐とした感がして見ていなかったが、この1作目は傑作で、感動的だ。
貧困家庭に生まれた渡哲也の五郎は、少年院で年長の待田京介となる「兄貴」と知り合う。だが、渡が出処して世話になっている水島道太郎の老舗の組と、新興愚連隊の青木義郎の一味との対立で、赤線のバーで出入りになり、待田を刺すことになる。この時、渡の恋人は、三条泰子で、待田の愛人は松尾嘉代だった。水島の組の子分には、浜田光夫や藤竜也らがいて、浜田の恋人は高品格の焼き鳥の娘の北林早苗である。こうした連中の愛と殺戮で、全体としては極めて「青春映画」的である。こうした若者たちの愛と悲しみが非常に上手く描かれている。渡は、浅草で愚連隊に絡まれていた家出娘の松原智恵子を救うと、彼女は渡に付いてくる。その下宿は、赤線の近くなので、浅草近くかと思うと新宿で、都電が出てくる。新宿の車庫に行く路線で、東映に緑魔子らが盛んに逃げ回ったところである。また、渡は、自分を捨てて、サラリーマンと結婚した三条泰子を見に行くが、東武線の上福岡の団地である。
これは1968年の映画で、渡哲也の作品では、前年1967年に『紅の流れ星』があり、これは舛田利雄の大傑作だったが、この舛田作品も非常に良い。舛田作品は、意外にも抒情的なところがあり、ここでも渡の松原への独白などは、非常に抒情的である。
最後はもちろん、渡が一人で青木義郎のところに殴り込みに行くが、その前に双方の出入りがあり、そこでは川治民夫が、その弟の浜田光夫の面前で殺される。この兄弟は、対立する組に属していて、その悲劇がある。渡の殴り込みは、青木が子分といるキャバレーで行われ、そこには青江三奈の曲が流されて、アクション・シーンはサイレントで行われるのも舛田の才気が感じられる。
チャンネルNECO
貧困家庭に生まれた渡哲也の五郎は、少年院で年長の待田京介となる「兄貴」と知り合う。だが、渡が出処して世話になっている水島道太郎の老舗の組と、新興愚連隊の青木義郎の一味との対立で、赤線のバーで出入りになり、待田を刺すことになる。この時、渡の恋人は、三条泰子で、待田の愛人は松尾嘉代だった。水島の組の子分には、浜田光夫や藤竜也らがいて、浜田の恋人は高品格の焼き鳥の娘の北林早苗である。こうした連中の愛と殺戮で、全体としては極めて「青春映画」的である。こうした若者たちの愛と悲しみが非常に上手く描かれている。渡は、浅草で愚連隊に絡まれていた家出娘の松原智恵子を救うと、彼女は渡に付いてくる。その下宿は、赤線の近くなので、浅草近くかと思うと新宿で、都電が出てくる。新宿の車庫に行く路線で、東映に緑魔子らが盛んに逃げ回ったところである。また、渡は、自分を捨てて、サラリーマンと結婚した三条泰子を見に行くが、東武線の上福岡の団地である。
これは1968年の映画で、渡哲也の作品では、前年1967年に『紅の流れ星』があり、これは舛田利雄の大傑作だったが、この舛田作品も非常に良い。舛田作品は、意外にも抒情的なところがあり、ここでも渡の松原への独白などは、非常に抒情的である。
最後はもちろん、渡が一人で青木義郎のところに殴り込みに行くが、その前に双方の出入りがあり、そこでは川治民夫が、その弟の浜田光夫の面前で殺される。この兄弟は、対立する組に属していて、その悲劇がある。渡の殴り込みは、青木が子分といるキャバレーで行われ、そこには青江三奈の曲が流されて、アクション・シーンはサイレントで行われるのも舛田の才気が感じられる。
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