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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『令和版・怪談牡丹燈篭』

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『令和版・怪談牡丹燈篭』が終わった。
前回の『薄桜記』と言い、NHKの時代劇は非常に良い。
NHKから国民を守る会は、これらをきちんと見ているのだろうか。
民放のくだらないトーク番組こそ、撲滅すべきだと私は思うのだ。



原作は、萩原家の使用人だった伴蔵とお峰夫妻が、秘仏を持ち出して江戸を離れ、栗橋宿に行き、荒物屋を始めて成功する。その辺の有為転変も非常に面白いのだが、全4回の放映なので、最後は短くなっていたが、出来は悪くない。
特に、飯島平左衛門の側室になる尾野万千子、放蕩者の飯島家親戚の源次郎の柄本佑の二人の、どうしようもない悪が非常に良かった。

そして、あらためて興味深かったのは、江戸時代から昭和の戦前までの日本の社会が、完全なレッセ・フェールの完璧な自由主義経済社会だったことである。
そこでは、伴蔵のように、個人の才覚で突然に大成功するかと思うと、一夜にして破産してしまうのだ。
宵越しの金は持たないことが美徳だったように、貯蓄や保証に一切興味がなかった社会なので、本当に有為転変は世の習いだったのであろう。
それにしても、三遊亭圓朝は凄いストーリーテラーである。

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