映画『秋刀魚の味』を見ると、いろいろなことを思う。
まず、笠智衆の家は、どこかとのこと。
息子の佐田啓二・岡田茉利子夫妻のアパートは、池上線の石川台駅近くであることは明確である。
その近くらしいので、池上線か目蒲線のどこかだろう。
笠は、「私が近いから・・・」と笠が行く、中学の国語の教師だった東野英二郎がやっているラーメン屋・燕来軒は、その店の感じから見れば、蒲田
あたりだろう。
そうなると、東野の店で偶然に再会した元海軍での部下だった加東大介の紹介で行き、亡くなった妻に似ているとして、笠と佐田が行く岸田今日子がやっているバーは、大森あたりだろうと思う。大森は、戦前から海岸には料亭や三業地があり、山側には喫茶店やバーなどがあった。
それにしても、小津の、中学の教師・東野英二郎の描き方はひどい。鱧をハムと間違え、サントリーのダルマを高級ウィスキーとして腕から離さない。
店に来た笠に、「ちゅうを出せ」と娘の杉村春子に言い、普段は焼酎を飲んでいることを示唆している。
1960年代初期に、焼酎を飲むのは、下層の労働者だけだった。
私は、今ではサワーなどの焼酎系の飲物を飲んでいるが、学生時代は酒は飲めず、焼酎についてもその匂いに参ったことがある。
学生劇団で、大道具の書割に色づけするときは、泥絵具を水に溶いて描くが、中には水に溶けない絵具があり、イエロー系がそうだった。
その時は、焼酎を混ぜると泥絵具が溶けるのである。
夏の夕方、焼酎を皿に入れていると、すごい匂いで蚊が集まってきた。
この戦前の元中学教師の退職者と、笠智衆、中村伸郎、北竜二らの民間企業の役員との間には、相当な所得格差が生まれていたのだろうか。
それは、所得倍増計画による経済の高度成長によるもので、特に笠智衆が監査役をやっている会社は石油企業であるのは、まさに時代である。
だが、実際は年金は給与水準に比例して毎年改定されており、年金受給者も、そう低水準だったとは思えず、この東野の退職後のラーメン屋はおかしいと私は思うのである。
私は、1972年に横浜市役所に就職したが、その時の給与総額は、母が受給していた父の遺族年金の方が高いので参ったものだ。
小津の元中学の教師東野英二郎の描き方を見ていると、よほど小津安二郎は、中学時代のことをよく思っていなかったたのだろうか。
まず、笠智衆の家は、どこかとのこと。
息子の佐田啓二・岡田茉利子夫妻のアパートは、池上線の石川台駅近くであることは明確である。
その近くらしいので、池上線か目蒲線のどこかだろう。
笠は、「私が近いから・・・」と笠が行く、中学の国語の教師だった東野英二郎がやっているラーメン屋・燕来軒は、その店の感じから見れば、蒲田
あたりだろう。
そうなると、東野の店で偶然に再会した元海軍での部下だった加東大介の紹介で行き、亡くなった妻に似ているとして、笠と佐田が行く岸田今日子がやっているバーは、大森あたりだろうと思う。大森は、戦前から海岸には料亭や三業地があり、山側には喫茶店やバーなどがあった。
それにしても、小津の、中学の教師・東野英二郎の描き方はひどい。鱧をハムと間違え、サントリーのダルマを高級ウィスキーとして腕から離さない。
店に来た笠に、「ちゅうを出せ」と娘の杉村春子に言い、普段は焼酎を飲んでいることを示唆している。
1960年代初期に、焼酎を飲むのは、下層の労働者だけだった。
私は、今ではサワーなどの焼酎系の飲物を飲んでいるが、学生時代は酒は飲めず、焼酎についてもその匂いに参ったことがある。
学生劇団で、大道具の書割に色づけするときは、泥絵具を水に溶いて描くが、中には水に溶けない絵具があり、イエロー系がそうだった。
その時は、焼酎を混ぜると泥絵具が溶けるのである。
夏の夕方、焼酎を皿に入れていると、すごい匂いで蚊が集まってきた。
この戦前の元中学教師の退職者と、笠智衆、中村伸郎、北竜二らの民間企業の役員との間には、相当な所得格差が生まれていたのだろうか。
それは、所得倍増計画による経済の高度成長によるもので、特に笠智衆が監査役をやっている会社は石油企業であるのは、まさに時代である。
だが、実際は年金は給与水準に比例して毎年改定されており、年金受給者も、そう低水準だったとは思えず、この東野の退職後のラーメン屋はおかしいと私は思うのである。
私は、1972年に横浜市役所に就職したが、その時の給与総額は、母が受給していた父の遺族年金の方が高いので参ったものだ。
小津の元中学の教師東野英二郎の描き方を見ていると、よほど小津安二郎は、中学時代のことをよく思っていなかったたのだろうか。