先日、101歳で亡くなった古川卓巳を追悼して録画であった1962年の『青い町の狼』を見る。
羽田空港から外人が飛行機に乗るが、カメラを高品格らのギャングが渡していた。外人は富士山を見て喜びカメラのシャッターを押すと爆発し、もちろん飛行機は墜落して全員死亡。
すると警視庁で捜査会議が開かれていて、課長の垂水悟朗は、潜入捜査させている二谷英明に連絡する。
二谷は、その外人がシンガポールを出て、沖縄から日本に上陸し、横浜に来たルートを洗い、横浜港に来る。
悪党の巣窟は、横浜の海岸通りの郵船横浜支店の隣のビルの地下で、つい最近までレストランだった。
地下に降りると、そこは「クラブ・リオ」、ステージでは歌手の芦川いずみが歌っているが、本人ではなく高美アリサという歌手の吹替え。
二谷と芦川は、目が合い、二人は関係があったことが分かるが、二谷と芦川のコンビは珍しい。
悪玉は、三国人の藤村有弘と日系二世の二本柳寛で、二谷はまず二本柳に接触し秘書になって探る。
原作は山村正夫、脚本は小川英だが、筋は込み入っていて少々見ずらい。
要は、最初の外人はシンガポールから麻薬を密輸して二本柳に渡したが、彼らに殺されたらしい。
二谷は、芦川の貿易商の父親の部下だったのだが、途中で姿を消したのだという。
ブルータウンとは横浜で、シルクホテルが出てくるが、映像は外観と周辺のみで、1階のフロントなどはここではなく、有楽町の日活ホテルだと思う。シルクホテルのフロントは1階ではなく、4階くらいにあったはずで、これは篠田正浩監督の『乾いた花』に出てくる。
クラブのバンドのトランペット吹きとしてチコ・ローランド、中華街の娼婦として千代郁子が出てくるが、この二人は蔵原惟繕映画の常連。
最後は、もちろん悪党同士が相討ちになり、二谷は目標を達し、芦川も無事救われてエンドマーク。場所は、たぶん横浜の根岸湾あたりだろうが、1962年なので埋立は行われていない。
『太陽の季節』のようなもたもた感はなく、古川卓巳監督もアクション映画をこなしていたようだ。
チャンネルNECO