午後、フィルムセンター図書室で調べることがあり、4時過ぎに1階に降りると、「この回の上映は定員に達しました」とある。
映画『郡上一揆』など、人気のある作品とは思っていなかったので、驚く。
フィルムセンターで、定員オーバーで入れなかったのは、内田吐夢の『どたんば』以来で、この時はすぐにアンコールをやったので、これもそのうちにやるだろう。
『郡上一揆』で追悼されているのは脚本の加藤伸代で、実は女優の日夏たよりである。
日夏は、ロマンポルノの初期によく出ていた女優で、特に藤田敏八の傑作『帰らざる日々』で、事故死してしまう江藤潤の妻を演じたのは大変な好演だった。
いつごろからか、急に姿を見なくなったが、彼女が監督の神山征二郎とできてしまって女優を辞めたことを知ったのは監督の大高正大からだった。
日本映画監督新人協会会長の大高は、神山の助監督をやってこともあるので、そうしたことも知っていたのだろう。
そして、日夏たよりは、神山作品の脚本家となり、2016年に亡くなったようだ。
言ってみれば、日夏たよりは二度死んだわけだ。
一度目は女優を辞め脚本家になり、さらに本名の加藤伸代としても死んだわけである。
ご冥福をお祈りしたい。