逝ける映画人特集、この日は加藤治子。
加藤は、なんとも不思議な感じの女優で、テレビで見られるように普通のいいお母さんのように見えて、実は複雑な心性があるという感じが見えたものだ。
多分、それは彼女に経歴にも現れている。彼女の始まりがSKDであり、矢口陽子らと同期だったとは、もう知らない人も多いだろう。
その後、文学座で劇作家加藤道夫と結婚し、加藤は名作『なよたけ』や『思い出を売る男』などを書くが、自殺してしまう。
文学座での芝居について、私は見たことがないが、最晩年の新国立劇場での劇は見たことがあるが、年を感じさせない迫力のあるものだった。