和田竜の小説は、随分前に読み、大変面白いと思ったが、映画はそれほどではないように見える。
なぜか、主人公の野村萬斎はうまいし、佐藤浩一をはじめ他の脇役も悪くない。
だが、どこか爽快感がない。
監督の樋口真嗣の映画は、ほとんど見ているが、いつも爽快さに欠けているように思える。
要は、それが彼の資質なのだろうか。
小説を読んだとき、最初に思い出したのは、福田善之作・演出の『真田風雲録』で、これを映画化した加藤泰監督の東映作品もかなり面白いものだった。
映画はまったく当たらず、会社の加藤泰への評価をさらに下げたようだが。
こういう時代劇をうまく作るのは、実は非常に難しいのではないかと思った。
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